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パッシブデザイン 建築

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茨城県水戸市元吉田町328-3

コンセプトconcept

パッシブ冷房計画(Passive Cooling)

~ 「涼」を感じ、涼しく暮らす  ということ
身体の周辺に「熱」が滞留し、対流がなく、空気が動かない風通しが悪い状態では室温以上に暑く感じるものである。しかし室温が高くても「体感温度」が低ければ、涼しいと感じられるので、「熱」を遠ざけ、そして外の暑さを室内に入れないことであり、そして如何に「風」を起こすか、如何に冷気を室内に取り込むかが重要なテーマとなる。 

⇒ 「閉じる技術(高気密・高外断熱)と開閉のパッシブデザインである。それは、外断熱で高気密・高断熱にした建物(蓄熱体の保冷)を、まずしっかり遮蔽し、その上で熱がこもらないように立体的縦横無尽に、適切な「風の道」をデザインし風通しをよくし、夜間には、涼気を通風する。つまり昼間、暖められた建物をクールダウンさせ、翌日のためにしっかり放熱・蓄冷する。
 さらに、そのために「装置としての外の環境(ミクロクリマ)」が重要な要素となる。例えば、緑で建物を覆い、日射や輻射熱を防ぎ、冷気を取り込む。
⇒ 「輻射熱」は、高い方から低い方へ流れる。だから床、壁、天井の温度が低いと、そこへ身体の温度が奪はれて涼しさが増す。

⇒ また人が感じる「涼しさ」は肌だけで感じるものではなく、目や耳にも訴えかけるので、緑豊かで爽やかな環境は、精神的な豊かさや贅沢な快適さをもたらす涼感を感じさせるクーリングである(「交感的な快適さ」・「自然の変化を享受する快適さ」)。 
この人間の真実を直視した「爽やかさ、清々しさ、美しさ、風味など」といった人間の基本原理・感性が感じる「快適な気持ちよさ」への発想とビジョンを求める(passive-design comfort style)。

(Passive Cooling tactics具体策)
① 夏は内外温度差を見極めながら、建物上部の「天窓(排気筒)」や南側高窓と北側のオーニング地窓を開放して、通風(涼)を良くし、「集冷」「蓄冷」した蓄冷部位による冷却効果(夜間冷却)を基本的なクーリングにし、
補助的にエアコン運転(小屋裏orロフト設置) →  小屋裏階段・通気口 → 2階各部屋 → 1階に溢れ落ちる → 家全体に涼気が流れ及んで、最終的には床下に涼気を静かに(対流させず)プールさせる。しかし暖かい(汚れた)空気は上昇するので、2F浴室等に設置した補助換気ファン(夏モード)で換気(第3種換気)されるように立体的な「通風をデザイン」する。扇風機やサーキュレータを補助的に活用する。(オープンスペースではないOffice及び主寝室には、補助のエアコンを設置しておく。) 
※ (ハワイやゴールドコースト等で)体験済であるが、室温が29度でも湿度が67%以下であれば不快指数は80未満になるから、少なくとも数値的に不快ではない。①蓄熱体、②高い気密性、③高い断熱性、④通気(換気)の4要素のバランスの取れた環境の中で「調湿」を行えば、たとえ室温が高くても、室温より適度に低い蓄熱体からの輻射による涼感効果も相まって、汗のでない「さらり感」のある「」のクーリングを楽しむことができる。(ビールが旨いと感じる快適さ)

土間床の活用; 基礎外断熱した日射の当たらない土間床は、室内の熱を吸収し、まわりの表面温度を下げ、気温より適度に低い涼感が得られる。 
⇒ 床下土間の床下蓄熱(冷)体を活用する。大地は巨大な蓄熱層であり、地中の温度は年間を通して変化が小さい。深さが2m以上になると真夏でも23度程度である。したがって基礎外断熱の環境下では、地下熱との相乗効果とで、外が高温の日中は(但し日除けさえしていれば)外気より、状況では10℃近い低温の「自然の恵み」と共生できる。
(基礎下の地下層は、冬でも、巨大な蓄熱体として、冬の室温の安定にも寄与する。)
排熱; 高低差の大きい排気口、吹抜け天窓またはソーラーチム二―から排出。夜間の無風時には、吹抜けやサーキュレータなど利用し排熱排気効果を促す。
遮熱(日射)対策; 
・ 南窓に、窓高の1/5の庇、建具の重ね使い(障子)。
・ 西側窓は、外形ブラインド、外付けのシェードまたはガーデンファブリック、簾やヨシズ(窓から離すことで、陽を遮り、風を拾う)と障子。
・ 「装置としての外の環境(ミクロクリマ)」; 家の南側に広・落葉樹による遮蔽と蒸発散、庭の芝生(照返し防止)、ウッドチップ舗装(自然景観に馴染、雨水の浸透性に優れ、日射を遮る)。
※木が一本あるだけで身の回りの気候が変わる。一本の木の周りの微気候(ミクロクリマ)では、その樹冠の日向側は直射のため暖かい空気が起こり、葉からの「蒸散」作用で湿度が高めになり、それが地表面の空気を誘導しながら上昇気流を作り出す。反対に日陰側では、冷たい下降気流が生まれ、樹冠内部や木下に流れ込み、木の下の周辺が涼しく保たされている。
放射冷却の仕掛け(ミクロクリマ); 遮蔽する広葉樹の蒸発散、やり水や打ち水の潜熱効果。
⑦ 「緑の壁(ミクロクリマ); 特に夏の西日を防ぎ、西側ブロック塀の輻射熱に対処するための緑化を図る
・ 窓や西側壁面側に隙間80㎝程度を設け、覆うようにネットを張り、朝顔など絡ませる、またはトレリス等。(冬は外す)
⑧ 「緑の屋根」; 緑陰の熱遮蔽、断熱、防火・防熱、建築物の保護等の物理効果、さらに生態的、生理・心理的効果

  梅雨時期の性能と対応策 
(1)高い気密性(C値1以下)と(2)高断熱の性能は、梅雨の湿気をシャットアウトでき、その性能の中では空気をコントロールしながら効率的に動かせるので、よどみのない適度な(3)計画換気(通風)を行いながら、新鮮な空気を必要最小限かつ効率よく取り入れ、家の中で発生した湿気を効果的に排出できる。
しかも、安定した(4)蓄熱体熱輻射効果で、急に梅雨寒になっても安定した室温が確保でき(2016/06/20~27日_屋外・室内の最高低温度のデータ、また梅雨の終わり頃、蒸し暑くなってきたときは、蓄熱体の室温より適度に低い涼感(蓄涼)を活かしながら(エアコン運転で)除湿を行えば、あまり暑くない「サラリ感」の「涼」環境が得られる。 

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